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「スウェーデンにおける乳幼児のための演劇研究」が開催されました

2019年2月10日(日)、東京都市大学 国際フォーラム「スウェーデンにおける乳幼児のための演劇研究」が夢キャンパスで開催されました。

前日の降雪が来場者の交通網に影響しないか心配でしたが、当日は雪が積もることもなく、会場は大盛況。約70名の方にご参加いただきました。

今回の講演会のキーワードは「ベビードラマ(babydrama)」。「ベビードラマ」とはスウェーデンの演出家であるスーザン・オースチン氏が創始したもので、俳優が赤ちゃんとコミュニケーションを取りながら進める演劇作品のことです。
講演会主催団体(科研費基盤研究(B)「保育者養成のための遊び/ドラマ/演劇連続体によるアクティブラーニング型授業開発」)の代表研究者である小林由利子教授(東京都市大学 人間科学部 児童学科)はスーザン・オースチン氏の「ベビードラマ」に出会って以来、日本でも「ベビードラマ」に関する講演を行うことを夢見ていたとのこと。
「まさに今が、私の夢が叶った瞬間です」と冒頭で挨拶しました。

基調講演者のレベッカ・ブリンチ氏は、ストックホルム大学でスーザン・オースチン氏の乳児向け演劇に関する博士論文を執筆し、博士号を授与されました。スーザン・オースチン氏お墨付きの研究者で、スウェーデンにおける乳幼児のための演劇の第一人者でもあります。

講演は「ベビードラマ」の実際の写真や映像を交えながら行われました。

 

 

「ベビードラマ」は生後6ヶ月の赤ちゃんとその保護者をターゲットにした作品で、スーザン・オースチン氏の「子どものための演劇は、大人のための演劇と同じく芸術性の高いものであるべき」という考えの通り、アーティスティックで幻想的な舞台風景が映し出されます。観客の赤ちゃん達は魅入られたように舞台や俳優を見つめ、声を上げて反応しています。
また、スウェーデンの最新の児童演劇の研究や、子どものための演劇の歴史などについても紹介されました。
子どものための演劇が世に登場したのは19世紀のことで、まだその歴史は浅いですが、スウェーデンでは子どもの創造性と自立性を育てるものとして成長してきました。
現在では子どもが芸術に触れあう権利が尊重されるよう、国連の条約にも定められているそうです。

質疑応答では主催団体の研究者の方々も通訳・モデレーターとして登壇されました。
通訳は中島裕昭氏(東京学芸大学)・飛田勘文氏(早稲田大学)、モデレーターは花輪充氏(東京家政大学)・椛島香代氏(文京学院大学)・木村浩則氏(文京学院大学)。皆さん児童教育や演劇を研究されている方々です。

 

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