人間科学部は、海外研修先としてオーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州立ウーロンゴン大学に学生を派遣してきました。この実績を基に、本学とウーロンゴン大学とは2014年7月に交流協定の基本合意書(MOU)を締結しました。
この度、オーストラリア政府のニューコロンボ計画の助成により2015年5月18日から2週間ウーロンゴン大学 教育学部幼児教育学科在学の学生10名の研修を受け入れることとなりました。
5月18日 等々力キャンパス学生ラウンジにて、ウーロンゴン大学の学生10名と教員2名を人間科学部児童学科の教職員と学生達が歓迎しました。
ウェルカム・アフタヌーンティー後、等々力キャンパス スタジオシアターにてアイスブレイクを行いました。両校の学生達の緊張をほぐすため「泣きと笑いのクレシェンド」で、大声を出すワークからはじめ、「人間知恵の輪」では2グループに分かれて互いに競い合う形をとりました。
アイスブレイク後には、セミナーがあり、「日本の幼児教育」のレクチャーを受けました。学生たちが参加する日本の一般的な幼稚園について、英文資料をもとに、「幼稚園の1日」を紹介しました。
研修2~4日目と、研修7~9日目はウーロンゴン大学の10名の学生が3つのグループに分かれ本学の学生がアテンドにつき、幸ヶ谷幼稚園・銀嶺幼稚園・八ッ橋幼稚園の各園で実習を行いました。
オーストラリアの絵本の読み聞かせを行うと園児たちも興味津々に聞いている様子が窺えました。また、ウーロンゴン大学の学生も国は違えど、身近なロールモデルに会えたことを喜んでいました。
研修5日目には、本学等々力キャンパスにて、「日本の文化」と「子育て支援センターぴっぴ見学」のワークショップを行いました。「日本の文化」の中で紙芝居、習字、折り紙を紹介し、同時に学内の子育て支援センター「ぴっぴ」の紹介も行いました。
まず、紙芝居は、本学科の学生が「舌切り雀」の紙芝居を絵から作成・英訳し披露しました。ウーロンゴン大学の学生も教員も紙芝居を見るのは初めてとのことで、この紙芝居をプレゼントしました。
習字は、井戸師範より漢字の成り立ちを聞いた後、墨を磨り、自身の名前や家族の名前、好きな意味の漢字を筆で書く体験をしました。
折り紙は、本学科の学生の手本を見たり聞いたりしながら、ピカチュウ、指輪などに挑戦していました。皆、手先が器用で、いろいろな作品に関心を示していました。
ワークショップの後、五島美術館展覧会を鑑賞し、合わせて美術館内「冨士見亭」において茶道体験を行いました。茶会では一座建立を楽しみ、戸惑いながらも初めての抹茶の味と和菓子の味が新鮮に受け止められている様子でありました。
研修6日目には、本学傘下の東京都市大学二子幼稚園を訪問しました。園庭では、素敵なスモッグをも泥んこにして元気よく遊ぶ子どもたちに、ウーロンゴン大学の学生たちも刺激されて一緒になってボール遊びをしました。
その後、東京都市大学 二子玉川 夢キャンパス(二子玉川ライズ8階)を訪問し、6月1日が正式オープニングであるため、オープニング前の「夢キャンパス」の誕生プロセスに出会える貴重な機会となりました。
本学教授陣による、セミナープログラムを用意し、「にほんのわらべうた遊びと保育」「生れて初めての寺社参拝、塗香体験とおまけの地震」「合同授業「比較保育学」:学生による世界への発信、その一歩を踏み出すために」を本学の学生とともに学びました。
日本の幼稚園で様々な体験をしたウーロンゴン大学の10人の学生達が最後に訪れたのは、横浜市都筑区にある川和保育園です。
学生たちはジャングルの様な一見無秩序で混沌としているように見えて、極めて計算され科学的に子どもの発達を促す仕組みを備えた園庭で果敢にも全身を使って高度な遊具にチャレンジし、子どものように思う存分遊んでいました。
園長先生のお話を聞き、日本の保育力の高さ、保育・教育の環境の多様性、独創性、芸術性、保育の哲学を学びました。
2週間に渡ったプログラムの最終日には、修了式とフェアウェルパーティを開催いたしました。
ウーロンゴン大学の学生1人1人に三木学長のサインの入った修了証書が手渡されました。初めは緊張した表情の学生たちも三木学長がにこやかに握手をして会話を交わすと、学生たちもほっとした表情を見せていました。
本学の学生たちがウーロンゴン大学の学生へアルバムを作成し、プレゼントするというサプライズがあり、ウーロンゴン大学の学生も大変喜んでおりました。
今回のプログラムは、ウーロンゴン大学の学生が、本学、実習幼稚園・保育園での体験を通して日本の幼児教育について学ぶために、人間科学部の全教職員が一致団結し、構成を行いました。
実習園での研修がウーロンゴン大学の学生の満足度を高める最制を構築したことがチームビルディングの観点からも何ものにも変えがたい教育の成果です。
人間科学部の教育方針でもある「『さまざまな体験』を通して将来の保育者としての実践力を高めること」を具現化できたことも大きな成果となりました。